No.68 — DEEP SEA SPECIES
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フサアンコウとは?糸状の突起が全身に生える不思議な深海アンコウ


フサアンコウとは?基本情報

フサアンコウは、全身から長い糸状・房状の突起(フィラメント)が伸びる珍しい深海アンコウの仲間です。チョウチンアンコウ目に属し、光る疑似餌(イリシウム)と極端な雌雄差を持つ点は他のアンコウ類と共通しています。

「フサアンコウ(房鮟鱇)」の和名は、体中に房状の突起が生えていることに由来します。

項目詳細
学名Caulophryne polynema(ポリネマフサアンコウ)など複数種
分類条鰭綱 アンコウ目 フサアンコウ科(Caulophrynidae)
英語名Hairy anglerfish / Nettlefish
体長メス:最大17cm程度 / オス:数cm(極小)
体色黒褐色
生息水深500〜2,000m(主に1,000m付近)
分布世界中の熱帯・温帯の深海
食性深海魚・頭足類(メスのみ)

全身の糸状突起——感覚センサーとしての役割

「見えない世界」を感じる触毛

フサアンコウの最大の特徴は、体の表面に密生する長い糸状突起(フィラメント)です。これらは単なる飾りではなく、水の動きや微弱な振動を検知する側線感覚の拡張として機能していると考えられています。

光の届かない深海では視覚よりも「水の流れ」や「振動」の検知が重要です。全身の突起が微小な水の動きを感じ取ることで、目に見えない深海の暗闇の中でも獲物(魚・イカ)の接近を察知できます。

発光する突起もある

一部の種では、突起(フィラメント)の先端が発光することが確認されています。暗黒の深海で全身に無数の小さな光の点を持つフサアンコウは、まるで宇宙の星雲のような幻想的な外見を持ちます。


疑似餌(イリシウム)——光で獲物を誘う

チョウチンアンコウ類共通の特徴として、フサアンコウのメスも頭頂部から伸びるイリシウム(疑似餌の柄)を持ちます。先端の発光器(エスカ)が青白く光り、深海の魚・イカを誘い込みます。

イリシウム自体にも細かな突起やフィラメントがあることが多く、生物発光する突起が動くことで「小さな発光生物が泳いでいる」ように見せる高度な擬態が想定されています。


雌雄の大きな差

チョウチンアンコウ目の特徴である性的二形(雌雄の体格差)はフサアンコウにも現れています。

一部の種ではオスがメスに性的寄生・融合を行うことも報告されています(チョウチンアンコウ目の特徴的な繁殖戦略)。


まとめ——暗黒の深海で光り輝くアンコウ

フサアンコウは、全身のフィラメントと発光能力を組み合わせた独自の捕食戦略を持つ深海アンコウです。

チョウチンアンコウの仲間の中でも特に奇妙な外見を持つフサアンコウ——その全身に生えた光る突起は、深海の暗闇にあって星空のように美しく輝いています。

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