





キンメダイは、深海に生息する鮮やかな赤い体と金色に輝く大きな目が特徴の高級食用深海魚です。「キン(金)の目の魚」という名の通り、目が非常に大きく金色に反射します。
日本では主に伊豆半島沖・千葉県沖・高知県沖などで水揚げされ、煮付けを中心に非常に人気の高い食用魚です。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 学名 | Beryx splendens |
| 分類 | 条鰭綱 キンメダイ目 キンメダイ科(Berycidae) |
| 英語名 | Splendid alfonsino / Alfonsino |
| 体長 | 最大約45cm(一般流通は30〜35cm) |
| 体色 | 鮮やかな赤橙色〜赤色(全身) |
| 生息水深 | 150〜1,000m(主に200〜600m) |
| 分布 | 世界中の熱帯・温帯の深海(太平洋・大西洋・インド洋) |
| 食性 | 小魚・イカ・甲殻類 |
| 寿命 | 推定30〜50年(非常に長寿) |
| 旬 | 冬(11月〜2月)が旨みのピーク |
キンメダイの目が大きく金色に輝く理由は、深海の暗い環境への適応です。
水深200〜600mという環境は、太陽光がほとんど届かない薄暗い世界です。この環境で少ない光を最大限に集めるため、キンメダイの目は体の大きさに比べて非常に大きく発達しました。
目の網膜にはタペータム(輝板)という反射層があり、入ってきた光を反射させて視細胞に再度当てることで感度を高めています。これが目が金色に光る理由で、暗い深海でも獲物を発見できます。
東伊豆の稲取港は「キンメダイの産地No.1」として有名で、「稲取キンメ」ブランドは全国にその名が知られています。稲取では「キンメダイの煮付け定食」が名物料理で、多くの観光客が訪れます。
伊豆半島周辺の海底は、火山性の地形により急峻な海底地形が発達しています。水深200〜400mの棚部分が広がっており、キンメダイの生息に適した環境が整っています。
稲取以外にも、下田・熱海・伊東・沼津など伊豆半島各地がキンメダイの水揚げ地として知られています。
キンメダイは深海魚の中でも特に長命な種で、推定30〜50年以上生きると考えられています。
成長は非常に緩やかで、体長30cmになるのに10年以上かかります。このため乱獲に非常に弱く、漁業資源管理が重要です。
日本ではキンメダイ漁業の自主規制が進んでおり、稲取など主要産地では資源保護のため漁獲量・船数を自主的に制限しています。
キンメダイは皮に旨みがあり、脂のりも良好な魚です。
| 調理法 | 特徴 |
| 煮付け | 最も人気の定番。甘辛い煮汁が絡む絶品 |
| 塩焼き | 皮目のパリッとした食感と身の甘みが楽しめる |
| 刺身 | 新鮮なものは脂がのった上品な白身 |
| 兜煮(かぶとに) | 頭の部位を甘辛く煮た豪快な一品。目の周りのゼラチン質も美味 |
| しゃぶしゃぶ | 薄切りにして昆布出汁でさっと火を通す上品な食べ方 |
煮付けは最も人気で、甘辛い煮汁がキンメダイの白身によく合います。皮まで美味しく食べられるのが特徴です。
キンメダイは、その美しい赤い体色・大きな金の目・絶品の味から「深海の宝石」とも呼べる存在です。
冬の旬に伊豆を訪れ、水揚げされたばかりの「稲取キンメ」の煮付けを堪能する——キンメダイは食と旅を一度に楽しませてくれる深海の宝物です。