No.23 — DEEP SEA SPECIES
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タカアシガニ——生態・大きさ・食用・水族館情報まとめ


タカアシガニとは?

タカアシガニ(学名:Macrocheira kaempferi)は、日本近海の深海に生息する世界最大の節足動物です。英語名は「Japanese Spider Crab(ジャパニーズ・スパイダー・クラブ)」——クモのように細長い脚と巨大な体がその名の由来です。

甲羅の幅は最大40cm程度ですが、脚を広げた幅(ワイズスパン)は最大で約3.7〜4mにもなります。これは現存する節足動物の中で最大であり、かつ最重量(最大で約20kg超)でもあります。


大きさと外見

項目数値
甲羅幅最大約40cm
脚幅(ワイズスパン)最大約3.7〜4m
体重最大約20kg超
体色オレンジ〜赤褐色(甲羅に白い斑点)
脚の本数10本(甲殻類の標準)

タカアシガニの脚は非常に細長く、その見た目はSFに出てくる宇宙生物を思わせます。雄の方が雌より大きく、特に前脚(ハサミ脚)が長く発達します。雌は脚が短いが胴体が広い傾向があります。


生息地と深度

タカアシガニは日本の太平洋側(静岡県沼津〜高知県にかけての駿河湾・相模湾・土佐湾)を中心に分布します。主な生息深度は150〜600m前後(成体は深い場所を好む傾向)。産卵期(春)には産卵のために比較的浅い場所(50〜100m)に移動してきます。

日本固有に近い種で、日本の深海を代表する甲殻類です。


食性と生態

タカアシガニは雑食性で、以下のものを食べます。

ハサミ脚は頑丈で、貝殻を割って中身を食べることができます。動きは比較的ゆっくりで、海底を這い回りながら食べ物を探します。

寿命は100年前後と推定されており、甲殻類の中でも極めて長命な種の一つです。


脱皮と成長

タカアシガニを含む甲殻類は脱皮によって成長します。幼体のうちは頻繁に脱皮しますが、成体になると脱皮の頻度は下がります。脱皮直後は殻が柔らかく、天敵に食べられやすいため、岩の隙間に潜んで殻が固まるのを待ちます。

大きな個体ほど成長に伴う脱皮が大変で、脱皮失敗(殻から出られず死亡)のリスクもあります。


タカアシガニは食べられる?

タカアシガニは食用になります。味は一般的なズワイガニ・タラバガニに比べると水っぽく(水分が多い)淡白とされますが、身は白身で癖がなく食べられます。

静岡県・高知県などでは漁業の対象となっており、地元の市場や飲食店で見ることができます。特に春(産卵のために浅場に来る時期)に多く水揚げされます。価格はズワイガニ・タラバガニよりも安いことが多く、地元の「珍味」として楽しまれています。

一般的なスーパーで見ることは稀ですが、沼津港周辺の市場や土佐清水市の市場などでは見られることがあります。


水族館での展示

タカアシガニは飼育が比較的しやすく、多くの水族館で展示されています。

主な展示水族館

水族館によっては触れ合い体験や「大きさ比べ」ができるコーナーも設けています。


タカアシガニと人間の関係

タカアシガニは江戸時代から日本人に知られており、博物学者・本草学者の記録に残っています。19世紀末にはヨーロッパに持ち込まれ、その巨大さに欧米の学者を驚かせました。現在でも世界各地の博物館に標本が展示されています。

現在、乱獲による個体数減少が懸念されており、静岡県では春の産卵期に一定期間の禁漁期間が設けられています。


タカアシガニ データ

項目内容
学名Macrocheira kaempferi
英名Japanese Spider Crab
甲羅幅最大約40cm
脚幅最大約4m(世界最大の節足動物)
生息深度通常150〜600m
生息地日本太平洋沿岸(駿河湾・相模湾・土佐湾)
寿命推定100年前後
食性雑食(貝・死骸・藻類など)

まとめ

タカアシガニは世界最大の節足動物として世界的に有名でありながら、実は日本固有に近い珍しい生き物です。その巨大な脚幅は実物を見ると圧倒されます。食用にもなり、水族館でも間近に見ることができる、日本の深海を代表する生き物の一つです。

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